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まさか、とは思った。
ちょうどそのとき、さっきの番号からの着信を知らせる電子音。
「はい」
「あ、もしもし、入金の確認が出来ましたのでご報告させていただきます」
「分りました。これでもう大丈夫ですよね?」
「はい、もうこれでこちらは大丈夫です。しかしですね、いま調べましたらあなたは別の会社の入金も未納になっているようです。金額は25万円ですが……」
「はぁ!?」
はぁ!?としか言いようの無い展開。
先ほど払ったお金はなんだったのか……。
ちょうどそのとき、音量を小さくしていたテレビから新しい手口についての話がでた。
『最近は手口が新しいものになりましてね、一度入金をしてしまったらまた別の未納金の話を持ち出し、さらにお金を騙し取ろうとするんですよ』
ちょっとまて!
じゃぁこれはまさにそのことか!?
「やられた……」
受話器を通して、声の主がなにやら話し続けている。
「……それでですね、こちらのほうに3万円をもう一度入金されますと先ほどの金額を一気に引き下げる事が出来るんです。だいたい25万円が6万前後に……」
そうか、僕は詐欺にあったのか。
よくよく考えてみたら、携帯端末情報で分る情報など使用機種と形式番号のみのはず。そこから電話番号などばれるはずもなく、それ以前に一回のクリックで登録されてもそれは電子消費者契約法では認められていないもの。
僕は完全に詐欺の手口に引っかかり、テレビのみの出来事と思っていた行動を実際取ってしまったのだ。
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