25人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「もしもし？話きいてますか？」
「あぁ、聞いてますよ」
「それでですね、いまからもう一度入金され……」
この言葉で完全に吹っ切れた。
6万8千円……高い授業代だったが、代金以上にいいスキルを取得する事ができた。
「は？入金？もうしませんよ」
「では25万をご自分で払われるのですか？」
「てか、使ってもないし、こっちのは全く身に覚えもなければ記憶にもないんで。というより３万でなんで25万が6万前後になるかっていう道理もよく分らんし、仮に25万払えって言う業者が3万貰った業者の話を聞くとも思えんのですよ」
明らかに先ほどとは違う態度の僕。
その急変に、相手はさぞ驚いた事だろう。
「ではその業者がご家庭やご自宅に行っても知りませんよ」
「あぁ、来たけりゃ来りゃいいって伝えてください。それでもあんたらに払う気はないし、まぁ警察も用意しておくんで来た瞬間逮捕されたかったらのはなしですけど？」
さらに僕は続ける。
「ちょっと高い授業料でしたけど、いい収穫がありましたよ。この口座もろともいまから警察に届けてきますんで覚悟しておいてください」
そう言って電話を切る。
このとき、僕は自分がはめられた怒りからか、こう思った。
鴨として見て近付いてくるなら、逆に鴨にしてやる！
最初のコメントを投稿しよう！