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「綺流兎に蒼大ぁ~、お味噌切れちゃったから、ちょっとお使い頼まれて……って、あら」
居間のソファーで、綺流兎がぐっすり眠っている。蒼大は、そのそばで首を傾げていた。
「あ…、架那ちゃん、お使いならボクが行って来るけど、…あの」
「なぁに?綺流兎がどうかしたの?」
何かイヤな予感がした。
「催眠術かけたの……きーちゃんに。」
催眠術ぅ…?
「ボクの事だけ好きになってくれる、って催眠。そしたら、起きなくなっちゃって…」
急いで綺流兎に近付き、頬をペシペシ叩いてみるが、起きる気配はなし。
げ、マジ……?
「…その催眠術って、いつ誰に習ったの?」
言いにくそうに、上目使いで口を開く蒼大。
「昨日の夜、本で読んだの…」
恐る恐る手に持ってた本を、私に差し出す。
…妖々出版社『超あやしい催眠術入門』定価1296円…
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