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深い溜め息を吐き、私は蒼大に厳しい目を向け、たしなめた。
「……蒼大…こーいうのは、気軽にヒトに使っちゃ駄目よ!」
特に蒼大の妖力は、子供とは言え、かなり高い。
そして綺流兎は、言っちゃ悪いけど、かなり単純。…催眠術をかけるには、格好の獲物だ。
「はい……ごめんなさい。もう、しないよ…」
シュンとする。反省してるみたいだ。
「分かればいいけど。…まぁ、熟睡してるだけみたいだから、時間が経てば起きるでしょ」
「うん…」
そう言われ、ホッとした顔になる蒼大。
――あと心配なのは、蒼大を好きになる…っていう暗示だ。
「……けど、どうしてそんな催眠なんかかけたのぉ?」
「だって、だって…きーちゃん、いっつも王子の独り占めだから…」
ぷぅっと膨れっツラ。
……子供だわ、やっぱり。
「とにかく…、私が様子見ておくから、蒼大は罰としてお使い行ってらっしゃい」
「うん!目が覚めたら、きーちゃんにも謝るからね!」
買い物リスト(味噌以外にも追加)とお金を渡すと、彼は元気良く駆けて行った。
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