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「はぁ……やれやれ。」
夕羅様は、バイトからまだ帰って来ない。…その間に、催眠術が解けたらいいんだけど。
私は毛布を持ってきて、綺流兎にかけようとすると。
「…………架…那…」
ゆっくりと目を開けた綺流兎が、こちらを見た。
「良かった…起きたの、ね…っ!?」
ぎゅうぅ~っと、私に抱きつく。
何???
「キ…綺流兎?やだぁ、寝呆けてるのぉ?怖い夢でもみたとかぁ」
力いっぱい抱きついてくる彼女に慌てる。
「……起きてるもん」
「もぉ~!夕羅様と間違えないでよぉ」
抱きついたまま、私を見つめる。
潤んだ目……。
「…違う…間違えてないよ……架那」
「何…言って」
「あたし、架那が…好きなの」
頭、真っ白。
…れ、冷静になれ、架那。
そう!この娘は今、催眠状態なのよっ。何か色々、手違いで私を……私を、好きになっちゃったワケ!?
…困る。非常に困る!
夕羅様にぶっ飛ばされる~っ!!
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