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第三章~増える憂鬱~
あれは今から5年前の話。
神介が小学5年生の時。
「神介君、算数の速さの所教えてくれない?」
肩までの短い髪に、愛らしい瞳。
今から5年前の百華の姿だ。
「ああ、いいよ」
こちらは今とは少し雰囲気の違う5年前の神介。
2人は端から見れば幼きカップルのように、仲がよく、一緒にいた。
しかし忘れてはならない神介の腹黒さ。
えっ、こんなに小さいときから腹黒かったの?
と、お思いだろう。
神介の腹黒さは多分伝染したのだと思う。
誰のか、と言うと…。
「あのねぇ、私算数は苦手じゃないけど速さがイマイチなの
なんでも計算で先を読む神介君ならこういうの、好きでしょ?(ニッコリ)」
「もちろん(ニッコリ)
僕は人の考えてることを先読みしてあえて僕が有利になるように仕向けるのが大好きなんだ」
若干小学5年生にして、ここまで先を考える人はいないだろう。
それにしても、百華も笑顔で黒いことを言っている気がする。
何を隠そう百華こそが神介を黒の世界へと導いたのだ!
これぞ、天が与えし2つとない(あったら困る)奇跡なのだ!
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