レッテル

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このクラスのメンバーは異質。 力を持つ者は使い方を学ばなければいけない。 それは、自分の身を守る為。 人を守る為。 力を悪いことに使わない為。 力を持つことで阻害されてきた彼らにとって、力を学び、コントロールすることは生きていく上で必要なことだった。 彼らには後がない。 ここでできる限りのことを学ばなければ、世間で生きられない。 大半の者がそう思ってここに在籍しているのだ。 室長に言われたことを、彼女は気にもしていない。 そんな言葉はもう嫌というほど聞き慣れている。 毎日のように、蔑まれてきた。 最初に…最初に拒絶したのは綾女じゃない。 クラスメイトだ。 そんな状況に彼女は絶望し、共に動くことを拒絶している。 クラスメイトは除霊を終えて少し休憩を取っていた。 綾女達はまだ高校1年。 入学したばかりだ。 力も安定しておらず、未熟者。 そんな彼らにはまだ除霊は相当な力を消費し、多大な疲れを伴う行為だった。
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