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この学校に“霊能力者育成科”ができたのは数年前。
まだ人材も充実しておらず、2、3年生のゴーストクラスはほんの一握りしか存在していない。
何より、力を持った者はそうそういないものだ。
だからこそ普通と違うという理由で阻害されてきた。
人手が足りない。
その為、未熟者の1年生も除霊に借り出される。
除霊の場は、実戦の場。
命の危険も伴うが、一番手っ取り早く学べる場でもある。
彼らは後がない。
それ故に、躊躇はしていられない。
綾女は、ゴーストクラスに所属していながら今まで除霊に参加したことはない。
全てはレッテルを張られているが為。
彼女にとってここは、何の意味もない場所。
そうなりかけていた。
原因はレッテル…でもそれだけじゃない。
それでも、最初は望んだ。
自分を理解してくれる存在を。
だが、それは叶わない。
クラスの連中が、学園の連中が拒絶したのだから。
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