荷馬車とワルツο

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ

荷馬車とワルツο

錆びた荷馬車がカタカタ鳴る 上に載った荷物は増えて それを皺だらけの手が支える 生きた証しが笑って語るο とおの昔に忘れていたのさ 憧れだったあの歌や走っていった砂利道を つまづいて転んで気付いたのは こんな荷馬車の上だったο 行き先を尋ねる でも誰もいなくて 影はやたらに僕を覆うよο 悲しいなοなんでかなοいつも吹いてた口笛も 大人になって忘れちゃったよ だからこの手に祈りをこめて 生きた街に手を振り歩くよ 見ててくれよ 笑ったっていいさ また歩いてゆこうか 帽子を目深にかぶってさο
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!