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荷馬車とワルツο
錆びた荷馬車がカタカタ鳴る
上に載った荷物は増えて
それを皺だらけの手が支える
生きた証しが笑って語るο
とおの昔に忘れていたのさ
憧れだったあの歌や走っていった砂利道を
つまづいて転んで気付いたのは
こんな荷馬車の上だったο
行き先を尋ねる
でも誰もいなくて
影はやたらに僕を覆うよο
悲しいなοなんでかなοいつも吹いてた口笛も
大人になって忘れちゃったよ
だからこの手に祈りをこめて
生きた街に手を振り歩くよ
見ててくれよ 笑ったっていいさ
また歩いてゆこうか
帽子を目深にかぶってさο
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