第一章 隣のアイツ

14/41
前へ
/222ページ
次へ
 このバカみたいなことを言ってるのは、『桜小路 千夏 サクラコウジ チナツ』。  去年は違うクラスだったんだけど、あのバカ共(誠と龍)が追認試験のとき偶然出会っちゃって、それからなぜかアタシ達と一緒に行動するようになったの。 「な、なによ、楓。アタシの顔になんかついてる?」 「鏡見れば?」 「……上等っ!」 「だ、だから、ケンカはダメだってばぁ!」  さっきからケンカを仲裁しようとがんばっているのは、『信濃 美琴 シナノ ミコト』。去年千夏のクラスの委員長だったから、みんなから『委員長』って呼ばれてるの。すっごく頭が良くて可愛くて優しい性格なのに、なぜか千夏と仲がいい。きっと弱味を握られてるんだわっ! 「ど、どうしたの、城ヶ崎さん? 私の顔にもなにかついてる?」 「ううん、なんでもないよ! 委員長、悩みがあったらなんでもアタシに言ってねっ!」  美琴の肩をガシッと掴み真面目に言う楓に、美琴はニコッと笑った。 「うん! ありがとう、城ヶ崎さんっ」 「ダ、ダメよ、美琴っ! こいつは悪の権化なんだから!」 「委員長、うるさいバカはほっといて、アタシ達は新しい教室に行きましょ!」
/222ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3705人が本棚に入れています
本棚に追加