第一章 隣のアイツ

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「アハハッ! よくわかってるじゃない龍っ!」  千夏は高笑いしたあと、龍の背中にバシッと一撃かました。  千夏の家は、『サクラグループ』っていう会社を経営していて、多方面に幅広く展開ているらしい。  しかもそのサクラグループは年商何十億と稼ぐ大企業で……。 「……千夏、おまえの金持ちっぷりはわかったからそろそろ離れてくれないか? 自分のクラス確認したいから」 「だ~っ! もうっ! つまんない男ねぇあんたはっ! こんなに可愛い女の子が腕に抱きついてるのよ?」  自信満々でそう言う千夏に誠は特大のため息を漏らした。  たしかに、千夏は……可愛い。というより美人だ。お嬢様のオーラまとってるし。  きっと十人の男に美人かどうか質問しても、全員首を縦に振るだろう。  でもドキドキしないもんはしょうがない。 「へいへい、どうせオレはつまらないダメ人間ですよ。そんなに反応して欲しいなら龍に抱きつけよ」 「龍に抱きついても面白くないでしょ? ただの美男美女になっちゃうだけだし。ねぇ、龍?」 「あ? 美男って言ってくれたのは嬉しいが、誠も結構男前だぜ? なぁ、委員長?」
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