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ジリリリリリ――――
時刻は午前七時。春の温かな朝を引き裂くように、一つ目の目覚まし時計が部屋に響き渡った。
目覚ましで、無理矢理現実世界に呼び戻された男の子は、モソモソと布団の中でさやかな抵抗をした。
ジリリリリリ――――
二個目の目覚まし時計が鳴った。
しかし、少年は起き上がらない。耳を押さえながら、
春眠、暁を覚えず。
と、心のなかで連呼している。
昨日友達と最後の春休みを満喫しようという誘いに乗り、四時まで遊んでいたのだ。
ジリリリリリ――――
三つ目の目覚ましが鳴った。
それでも少年は起きない。
この目覚ましを耐えきれば、再び夢の世界に旅立てる! オレの眠りは何人たりとも邪魔させな…………。
少年が布団の中でモゾモゾしていると、怒りに任せたような乱暴な音と共に扉が開いた!
「『誠』ッ! 毎朝ウッサイのよっ! 今日から高二なんだから、目覚まし一個目で起きろぉおおお!」
三つの目覚まし時計をも超える大音量で、布団に潜る少年に向かって叫んだ。
誠と呼ばれた少年は、布団をちょこっと持ち上げて、うるさい声の主を確認した。
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