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高校指定のセーラー服に身を包み、眉を八の字に曲げて鋭い目つきでこちらを睨んでいる。
誠は再び布団を被り少女から目を反らした。
「あと、三十分だけ……」
「っ!? ……起きろって言ってんでしょうがぁああああ!」
少女はひたいに巨大なバッテンを浮かべながら、スカートから伸びた健康そうな足をベッドの上に出っ張った物体に向かって振り下ろした。
それをまともに喰らった誠はたまらず布団から飛び起きた。
「いってぇええええ!! おまえこそもっとおしとやかになれよっ! 『楓』っ!」
「うっさいっ! も~っ! あんたのせいで初日から遅刻しそうじゃないのよぉ! さっさと準備してよ!」
楓と呼ばれた少女は誠の後頭部に鞄で重い一撃を加えたあと、部屋をあとにした。
誠は楓の後ろ姿に舌を思いっきり突き出したあと部屋着を脱ぎ、着替えを始めた。
ちくしょう、あの暴力女め! いつかぜってぇ恥じかかせてやる!
……あっ、遅れたけどオレの名前は『榊原 誠 サカキバラ マコト』、高校二年生。
特技は……ねぇなぁ。趣味も……ねぇかなぁ。まぁ、強いて言うなら音楽鑑賞かな? でも、好きなアーティストはこれといっていない。
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