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授業が終わってすぐのことだった。
彼女から「話があるの」というメールが(たったそれだけの簡素な内容が。)入ったものだから、もしや別れ話がやってきたのかと重たい気分でいつも二人で居る屋上に向かった。
扉をあけると緩い陽の光。もうすぐ夕暮れだ。
そんな中、彼女はやけに深刻な顔をしてフェンスの前にいた。
映画のワンシーンみたいだなぁと見とれつつも、
あまり見慣れない表情に俺はすこし怖くなってやけに明るく声をかける。
「おい!青春してるか?なんでぇ、しぶい顔しちゃって。」
「……ん、」
「そーいえば隣のクラスの相田がさぁ………」
馬鹿っぽい話でもして例の話を忘れさせられないか…などと企んでいたのだが、
…俺の浅知恵でそう上手くいくはずない。
結局3分ももたずに奇妙な沈黙が俺たちの間に訪れる。
「…な、なぁ…話って…?」
さっきまでのノリはどこへやら。情けない声で恐るおそる尋ねる俺。
彼女は言いにくそうに顔を一度ふせてから、やがて思い切ったように顔をあげる。
「……ずっと黙ってたんだけど…実は…、」
おおおお
隠し事の暴露か?
よ、よし、どんなことでも受け入れてやろう!男として!!
「実は………………ぼくさ…」
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