ホームルーム前、教室の入口で

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夢のなかで(起きてもしばらく、)私は泣いた。 朝早いから生徒の姿はまばらだ。校庭には数人の運動部がいるくらい。 私の教室は学校の一番はしっこ。 なんて長い廊下。 誰ともすれ違わない朝。 …………、 思わず足取りが重くなる。あんな夢をみたせいだ。 おはよう 私は、いつもそう言って、(言ってもらって)教室に入る。 それがあまりに当たり前だったから考えたことなんてなかったんだ。 あの教室から誰かが居なくなるということ。 教室の前で、扉を開ける手を私は止めた。 ……みんな、いる よね? 、
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