2007年初春

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現場を検証している室井の携帯がなる。 室井「もしもし室井です。」 電話相手「室井さん、新城です。」 室井「新城君?どうした?」 新城「湾岸署管内で起きた殺人事件…。目撃者無しの密室だそうで…。」 室井「あぁ、おかしい点ばかりだ…」 沖田は、携帯で話している室井が気になるのかちらちらと室井を見ている。 新城「都内数ヶ所で起きている殺人事件が同じように似たような手口なんです…。」 室井「…似たような手口…か…。」 新城「僕も湾岸署に向かいます。室井さんも、湾岸署に向かってください」 室井「わかった」 携帯を切ると、沖田がよって来た。 沖田「新城さんですか?」 室井「あぁ、そうだ。」 室井は、ため息をつきながら携帯を納めながら答えた。 沖田「私じゃ、無理な事件と?」 室井「…?いや、同じような手口な他の所轄でも起きているようだ。」 沖田「そうですか…。」 室井「とりあえず、現場検証が終わり次第湾岸署に向かう」 沖田「わかりました。」 室井は、現場を離れ廊下の窓から外の風景を鋭い眼光で見ていた。 青島「ったく、置いて帰らなくてもいいのにぃ…」 タクシーを降りながら、愚痴をこぼした。 署内に頭を掻きながら、歩いていく。 刑事課に行くと、署員が集まっていた。 袴田「殺人事件が発生した事で、湾岸署に捜査本部が設置される事になった。」 秋山「くれぐれも、本庁の方々に迷惑掛けないように。」 神田「特に、接待はスキの無いようにね」 袴田「割り振りは、この紙に書いてあるから各自作業にかかるように」 署員一同「はいっ」 青島「みなさん、やる気ですね?」 青島の声を聞いて、みんなが振り向く。 袴田「青島君!室井さんはなんか言ってたか?僕たちの事を?」 青島「いや、挨拶したぐらいですからね……」 神田「僕たちは、面会に行ったんだよ?何も?無かったの?」 青島「一言二言ぐらいしか話してないですから…。」 神田「僕たちの事忘れたのかね?秋山君…。」 秋山「いや、あの、どうなんだ?袴田?」 袴田「はっ、私ですか?いや、えーっと、青島どうなんだ?」 青島「だから、あまり話してないからわかんないですよ。」 魚住「…なんか、話が堂々巡りしてません?」 署員「本庁捜査一課が到着です。」 刑事課は、張り詰めた空気に変わった。
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