2007年初春

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刑事課を出ていく室井に続いて、青島が出てきた。 すると、目の前に新城と一倉が立っていた。 新城「…室井さん、青島は必要ないはずですが?」 一倉「室井、所轄の奴らに用はない!お前だけでいい!」 青島は、二人が自分を不必要にした事にムカついていた。 青島「室井さん…、俺、戻ります。なんかわからないけど必要無いみたいなんで…。」 と、一倉を見る。 一倉は気難しい顔で、青島を見ていた。 一倉「所轄は、本庁の補佐で十分なんだよ!」 すると、 室井「やめないか。青島君は、優秀だ。会社員連続殺人事件も副総監誘拐事件も彼が犯人逮捕に近づけた。…それは、変わらない事実のはずだ。青島君は、私が必要として呼んだ。彼が必要ないと言うなら私も聞かないほうがいいな。」 と、後ろを向き特別捜査本部に向かう。 新城「…わかりました。室井さん、青島も来い。」 と、新城は言い残しエレベーターに向かっていく。 青島は、横に並んでいる室井を見て黙っている。 一倉「…室井、お前昔、自分は警察の味方だ。と俺に言ったな。所轄との仲良しごっこがお前の言った言葉の真意か?」 室井「俺は、警察を一つにしたいだけだ。…警察の味方だからな。」 一倉は鼻で、フンッと笑い新城の後を追う。 エレベーターは地下に向かっていく。 青島「また、監視システムを使うんですか?」 新城「…………」 一倉「……………」 青島「黙ってまぁ~す……」 耐えられない沈黙のエレベーターが地下に到着する。 ドアが開き、一番奥の部屋へ行く。 部屋のドアを開けると、監視システムが作動していた。 青島「また、俺が監視するんすかね…、室井さん?」 室井は、青島に向きもせずに前を見ている。 一倉「役立たずに監視させても、最高のシステムも張り子の虎だ。」 青島「ですねぇ~。何年か前にも言われました。無能って…。」 新城「これを見てください。」 KSYTビルの現場前が映し出された。 ………?……。 青島「あれっ?なんか場面が途中途切れましたね。」 一倉「無能でもわかるんだな?」 青島「…わかりましたよ…(いちいちうるさいな)」 室井「これは?」 新城「どこからか飛ばしの映像です。」 室井「…どういう事だ?…」 一倉「どこかの誰かが、ビル内のコンピュータにハッキングしてこの映像を映し出した。」
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