第一回捜査会議 事件発生一日目

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すみれは、くすっと笑いコーヒーを手に刑事課の自分の机に向かっていった。 湾岸署~特別捜査本部 沖田「なにか新しい情報は入ってないの?」 捜査員「…まだ、新しい情報の方は……。」 沖田「…なにやってんのよ。ローラーの範囲拡げて。都内全域に。」 捜査員「…はっ、至急…」 沖田は、顔を覆いながらため息をつく。 一倉「…そんなに、焦る事じゃないだろう。」 沖田「…私にとって、湾岸署は失敗しか無いんです。今回は成功させたいの…。」 一倉は、横目で沖田を見て資料に目を向ける。 沖田は、立ち上がり会議室を出ていく。 一倉「どこに行く?」 沖田「気分を変えに…」 一倉「わかった…」 会議室を出ると、沖田は落胆の表情を見せた。 雪乃「あなたでも、そんな顔するんですね。」 沖田「…なにやってるの?所轄は、検問に行ってるはずよ。」 雪乃「今は、魚住課長と森下君がいってます。私は、保安課の仕事も兼任なので…。」 沖田「…貴方の、昔の彼が消えた事件ね…。」 雪乃「…………。」 沖田「コーヒーでも飲まないかしら?」 雪乃「……ご一緒します。あなたと話してみたかったですから。」 二人は、会議室前から歩いていってしまった。 魚住「…森下君…。」 森下「なんですか?」 魚住「誰に職質掛けるの?」 森下「………誰にですかね……。」 魚住「雲を掴むような話だよね…。」 森下「…ですね…」 魚住「…アンジェラァ…」 車内では、そんな会話が今まで1時間以上繰り返されていた。 魚住「…信号待ち37回目……。」 森下「数えてたんですか?」 魚住「…暇だもん…。」 なんか馬鹿にされている気になるね…」 森下「…………。」 魚住「聞いてんの?」 森下「…おの男、見た事ありません?」 魚住「誰だよ。」 森下「あそこですよ。黒人達の中にいる日本人。」 魚住「……見た事あるような無いような…。」 プップー、後方車からクラクションがなる。 信号が青に変わっていた。 森下「…ハイハイ。」 アクセルを踏む。 魚住は考え込んでいる。 森下「…どうかしました。そろそろ雪乃さん達と交代ですね」 魚住「!!岩瀬だよ。岩瀬修、停めて。無線で本部に連絡。」 森下「はいっ」 魚住は車を飛び出し岩瀬を追う……が、もう姿が消えていた。
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