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雪乃は一倉の後について出ていこうとしたが、ドアの前で振り返り青島に告げた。
雪乃「…青島さん大丈夫ですよ。私、こう見えて刑事ですから」
青島「…わかった。」
雪乃は、一倉の後について出ていった。
そこへ、和久が現れる。
和久「どうかしたのか?冴えない顔が余計冴えてないな。」
青島「和久さぁん…。岩瀬修って覚えてます?」
和久「あぁ~…、雪乃さんの彼氏だった奴のはずだよな。」
青島「…女垂らしの大麻密売野郎ですよ……。」
和久「…奴がどうした。」
青島「この間、仮釈放で出所したらしいんすけど…。行方がわからなくなって…。」
和久「…それがどうしたんだ…。」
青島「…保安課の人らによると、海外との大麻の密売ルートを作ろうとしてるみたいなんです。」
和久「…で?雪乃さんは…?」
青島「一倉って奴が連れていきました。」
青島は、表情を曇らせた…。
和久「…青島、大麻を扱う奴に詳しい奴を忘れたか?」
青島「…誰っすか?」
和久「…魚好きのモグラだよ。」
青島「和久さん、俺が行ったらまた査問委員会ですよ。」
和久「…青島ぁ、俺はもう刑事じゃないんだぞ…。必ず足跡掴んでやるよ。」
青島は、和久の表情を見て笑った。
青島「…お孫さんと遊ぶのが楽しいんじゃないんですか…?」
和久「雪乃さんは、私の警察の娘なんだ。助けてやりたいんだよ。」
青島は、うなづいた。
和久「じゃ、いってくるよ。」
青島「和久さん…。無理だけはしないでくださいよ。腰痛持ちなんだから。」
和久「老人扱いするなっ」
和久は、そう言うと刑事課を出ていった。
青島は和久を見送り、自分のデスクに座る。
すると電話が鳴った。
青島「…はいっ、刑事課強行犯係。」
室井「青島か?」
青島「室井さん?」
室井「今すぐ来てくれ。…ガチャ!」
青島「…受話器は静かに置いてよね…。」
青島は、席を立ち室井さんの元へ向かった。
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