第一回捜査会議 事件発生一日目

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湾岸署~地下室 青島「…入りまぁす…。室井さん…?」 部屋には、誰も見当たらない。 青島「なんだよ、呼んどいて…。」 ガタッ、部屋の奥から物音がする。 青島「室井さん、呼んどいて奥に隠れてるとか三流ミステリーじゃないんすから…。」 青島が頭を掻きながら、机に積まれた資料に目をやりながら部屋の奥に向かう。 室井「すまない。」 青島「…すごい数の、資料ですね…。これ全部に目を通したんすか?」 室井「あぁ~…。」 室井は、疲れた顔をしながら机に座る。 青島「どうしたんすか?呼び出し。」 室井「…今言わないといけない気がしてな。」 青島「なんすか?」 室井「…今回の事件、私達と同じ警察官が関わっている。」 青島「……まさか、嘘でしょ?」 室井「最初に見た監視カメラの映像、あれは警視庁のパソコンから飛ばされたようだ。」 青島「一般観覧用からじゃないんすか…?」 青島は、混乱したような顔で室井に言う。 室井「…捜査一課に設置されているパソコンからだそうだ。」 青島は、真剣な眼差しで室井を見た。 青島「そんな…。」 室井「あの時、新城君が言わなかった事、私も口を開かなかった事はこの事があったからだ…。わかってくれ」 青島は、黙っていた。 室井「…今、警察庁の公安と真下達CICが合同で調べているが…。」 青島「…室井さん…」 青島は室井の言葉に割り込んだ。 青島「…俺達が正しい道を開こうとしている警察には、犯罪者が居たんすか?」 室井「私だって信じたくない。」 青島「…何の為に、怪我しても頑張ってきたんですか?…俺、室井さん信じて今までやってきたんですよ…!」 室井「……………。」 青島「………。」 地下室のドアが開き、新城が入ってきた。 新城「…やっぱり、青島も一緒か…。都合がいい。上からの指示です。…室井さん、あなたは湾岸署から離れてもらいます。」 青島「何故?」 室井は、新城を真っ直ぐ見ている。 新城は二人に近づき小声で伝えた。 新城「…次長があなたたち二人を離すように指示してきました…」 室井「何故だ?」 新城「…あなたたち二人が警察にも驚異と判断したからでしょう。」 室井「出世抗争…か?」 新城「貴方の事件の時と同じような状況です。」 室井は、目を閉じた。
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