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青島は、何の話かわかっていなかった。
青島「なんすか?室井さんの事件と関係あるんすか?」
新城「…青島、今は言えない。私の後ろを見ろ。」
青島は、地下室入口に警察庁の坂村がいる事に気付く。
坂村「…君だったか、青島君というのは…。今、思い出したよ。」
青島は、頭を下げ目を室井に向けた。
坂村「君はまた、警察に迷惑を掛ける気か室井。」
室井「…私は、事件解決の為に捜査資料を調べているだけだ。」
坂村「それは、ごくろうな事で…。新宿北署に出向している管理官が無能でね。室井君、君に指揮を変わってほしいとの次長からの命令だ。」
室井「…それは、出向先の警視庁が決める事で、警察庁が関わってはこれないはずですが?」
坂村「安住副総監には、もう報告済みだ。室井、君の手腕をみせてくれないか?」
室井は、青島を見て坂村に返した。
室井「…青島刑事を連れていきたい。」
坂村「それは、出来ない。彼は、湾岸署管内の麻薬事件の捜査員をしてるそうだな…?」
青島「…そうです…。」
坂村「その事件に専念するんだな」
そういうと坂村は、携帯を取り出し誰かに電話をしだした。
新城は、坂村の目を盗み室井に話し掛ける。
新城「…室井さん、ここは命令を聞いてください。」
室井「…しかし、」
室井は青島に目を向ける。
青島は、頭を掻きながら室井に顔を近づけた。
青島「心配無いっすよ。室井さんは、俺達と同じ気持ちなんすから。」
青島は、真っ直ぐ室井を見た。
室井は、うなづき立ち上がる。
室井「…新宿北署に向かう…。」
坂村は、携帯を切り
坂村「…命令には歯向かわない方がいいからな。」
坂村は、部屋を出ていく。
室井は、あとに続き出ていく。
地下室出口で、振り返り二人にうなづいて出ていった。
青島「…警察も、出世争いがあるんすね…?」
新城「…安住副総監と池神次長は総監の地位を狙っている。室井さんの事件でもお互いが足を引っ張り合った…。」
青島「…なんか、誰信じていいのか…。」
新城「お前は、室井さんが警察に必要だと思うか…」
青島「あの人は、世渡りが下手だ。しかし、上に立つとやる男だ……。和久さんが言った言葉です。」
新城は、青島を見た。
新城「そう思うなら、信じてやれ。」
新城は、地下室から出ていく。
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