完全な死体……

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 蓮は渾身の力を込めて扉を押す。由佳と美紀がその強固な扉を後押しした。  それでも扉は動かない。まるで岩を押しているように固く重い。 衝撃で扉が変型したか… ■■■■■■■■■■■■■■■ (…何故開ける? …自ら閉ざした地獄の門だろう? …お前らは恐怖に逃げ出した……   …己の保身のみ考え…   …友の叫びを無視し… …闇の世界に閉じ込めたのだ…) ■■■■■■■■■■■■■■■ 「うるせえぇ―――――!!!」 「蓮!!?」 「扉から離れてくれ!!」  頭に沸々と沸き上がる憤り。恐怖、責任、理性、怒り、予感…様々な感情が疲労困憊の蓮を動かす。  悪霊の囁きは無視した。  蓮は助走をつけ、扉に体当たりした。だが岩に体当たりした様に弾き飛ばされ、蓮は地べたを這う。  直撃を受けとめた肩に、稲妻が走った様に痛む。  朦朧と起き上がり二度目、体に衝撃と激痛が走る。飛びそうな意識が痛みで持ち返す。  三度目!  何かが外れる音が鈍く響き、手応えを感じた。もはや肩の激痛は限界だが、再度助走をとる。  四度目!  人一人通れる程の隙間だが、ようやく扉が開いた。
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