11月イベ 1 小説

10/11
前へ
/34ページ
次へ
  「……はは……ふはははは」 暗い空に浮かぶ三日月が照らす一部屋から漏れる誰かの笑い声。 「本当に扱いやすい王だな、まったく。 女王が亡くなりなんでも家臣に任せるとは、本当いい事件だったよあれは」 ワイングラスを片手にグラスを眺める。 「あれだけ扱いやすいと家臣をやるのも楽でいい」 だって王は何も知らないから家臣は贅沢を尽くす、王には隠して。 城の金をつかって。 「あれ程に馬鹿な王は他にいない」 男は窓から月にワイングラスをかざし 乾杯、と呟き女王の血のような真っ赤なワインを飲みつくした。  
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加