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[お疲れ様。あとは解離するだけね。]
「カイキョ?」
疲れて仰向けに床に倒れこんでいる昴は体を起こした。
[そ。一回魂の契約を解除するの。でも今完全に解離すると私が霊体になって元に戻るのも難しくなっちゃうからまた半分契約するの。分かった?]
「何となく…。」
[じゃあこの場でやっちゃうわよ?]
「あ、うん。」
[じゃあ立って、目を閉じて。ゆっくり深呼吸して落ち着いて…。]
昴は特に何が出来るというわけでもないので大人しくソラの言うことに従った。
[我、主となるべき魂との解離を望む者…。星原昴との解離を行なう…。]
すると最初の契約のように昴は光に包まれた。そして昴の体から力が抜け、昴は膝をついた。
「う、わっ…。」
丁度昴の体の力が完全に抜ける前にまたソラの声が聞こえた。
[我、再度魂の契約を求む者…。星原昴の魂、我と半身を求む事を行なう…。]
今度は先程の状態を保っていて力が半分抜け落ちたような感覚で、いい調子とは言い難い感覚であった。
しばらくして、契約が終わったらしく、包んでいた光が消え、元の制服姿、とは少し違った昴に変わっていた。
「終わ…った…?」
昴は突然きた疲れによって倒れこんでしまった。
[えぇ。これで契約は終わり、今日はかなり力を使ったから…すぐ…寝た方が…いい…わ…。]
ソラの声が遠くの方で聞こえて、昴は意識が遠退き、そのまま眠りについた。
(これじゃあ…前と同じ…じゃ…ないか…?)
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