~第③章~天使

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「昴、あなた昨日お婆さんを助けようとして階段から落ちたって言うけど体は大丈夫なの?痛いところとかない?」 「え?…あ、あぁ、大丈夫。痛いとこないから…。」 (ソラ、母さんには他に何したんだ?) 「そう、それならいいけど…。痛くなったら言うのよ?」 「あ、う、うん…。」 [大事な一人息子が帰ってこなかったら大変でしょ?だからこの体中の傷を誤魔化すために、歩道橋の階段のところで転びそうになった子供を身代わりになって助けたって事にして帰ったの。] (ん…?ちょっと待てよ、母さんはお婆さんって言ってるけど。それにオレのなかに入ってるソラがどうやってここまで来たのさ…?) [それは…ちょっと記憶修復を間違っちゃって… 運んだってゆうよりも、私が昴に乗り移って帰ったの。] 昴は朝食の片付けをし、洗面所に向かった。 (へぇ。って乗り移りなんて出来んの!?) [まぁね。緊急時の時は乗り移って何が何でも連れてくわ。] ガラガラガラ…。 (緊急時…?) 歯を磨き終わり、バックを持って玄関に向かった。 「行ってきまーす。」 「あ、昴!!お弁当!!」 「あぁ、ごめん。ありがと。じゃ、行ってきます」 「はい、いってらっしゃい。」 昴は自転車に乗り、颯爽と走っていった。 (で?緊急時ってどんな時?) [あ、えーっと、霊術学園ではやらない下級の悪魔、ってゆうよりも魔物が人間に取り付いた時とか、人間界に迷い込んできたやつを戻したりする時かな。でも緊急時は昼間の時だけ。大体出てくるのは夕方や夜中ばっかりだから仕事は夕方から夜にかけた時間帯ね。昼間は平気なんだけどね。] (ふぅん。ねぇ、その仕事ってソラがしなくちゃいけない仕事?) [そうなるかな。私、堕天使だし…。堕天使の仕事は天使軍団では滅多にやらない本当に簡単な仕事を罪の分を対価として働くの。私の場合はその仕事999件と私の階級のランクを1つこなして終わりよ。] (そんなに…!?) [えぇ、私の場合が一番の大罪なの…。] (……。) 昴はそれ以上言うことが出来なかった。 あまりにも重い罪に、この対価があると分かって、どんな罪を犯したの?なんて気軽に聞けるわけがない…。
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