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「はぁ、私は本当にやってないのに…。」
そんな呟きをしながらソラはパートナー探しをしていた。
「…あ、見つけた!!やっと見つけた。私のパートナー…。」
丁度その時、人間界のある人間がその天使の声を聞いた。
「!?。さっきのは何だ!?」
(頭の中に自然に入ってくる…。パートナー?何なんだ!?一体。)
そう思いながらその人間がふと外を見てみるとなんとそこには黒い翼を携えた、ものが浮かんでいた。
(な、なんだ!?こいつは!?ここ2階だぜ?)
「お、人間、お前オレが見えるのか!?ハハッ、珍しい。って、お前奴らのパートナーとかじゃないよな?」
イヂワルそうな声を出すそのものは、体は人間の姿だが耳がとんがっていて、漆黒の翼がある。まるで悪魔のようだ。
(何言ってんだ?こいつ。)
「はぁ!?おぃ、人間。お前人間の分際で俺様の事を2回も[こいつ]とか言うな!!」
「え、心読めちゃうのかよ…。」
「当たり前さ!!俺を誰だと思ってんだ?俺は悪魔族のゼロ!!知らない奴はあんまいないんだけどなぁ…。あぁ、めんどい。おい、人間。お前の魂よこせ!!」
やっぱり悪魔だったらしい。
それもそうだ。まさに悪魔という感じだ。
「え、ちょ、ちょっと待ってくれよ。なんなんだよ本当に!!」
「何ってそりゃ、お前の魂貰いに来たんだよ。当たり前じゃないか!?まぁ、いいや。じゃ、いただきまぁす🍴」
と言いながらゼロと名乗った悪魔が近付いてくる。
「え、は?ちょっと待って!!」
慌てふためくその姿も気にせず悪魔はどんどん近付いてくる。
(うっわ、来るな!!来るな!!)
と、心の中で叫んでも意味がない。必死の抵抗も虚しく、ゼロは目の前まで来ていた。
(もう、だめだ…)
そう覚悟した時、何かが目の前に立ちふさがった。
(…なんだ? 白い…羽根?)
それは純白の羽根を携え、ゼロとはまるで逆の姿。
(わぁ、すごい…まるで天使みたいだ。)
「…………。」
(?)
その天使らしき者は、小さく呟き、その声は全く聞こえなかった。しかしその途端、眩しい光に包まれた。
「ふっざけんな!!そいつは俺の獲物だ!!」
遠くの方でゼロの叫ぶ声が聞こえた気がした。
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