裁き

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その目にはうっすらと白い天井が映っていた。 鼻の奥には消毒液の独特の臭いが広がっている。 とにかく体がだるく感じられ、目の動きだけで自分の置かれた状況を確認し始める。 そしてようやく、自分が病院のベッドに横たわっていることを知った。 『ユウタ!!』 聞き覚えのある声の方に顔を向けると、そこには母親と妹が心配そうに自分を見つめていた。 ユウタは鼻の奥がツンとすると、涙が自然と頬を伝っていくのを感じた。
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