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他に人がいないのを確かめると、ザラザラとした砂壁に体重をかけつつ体を起こした。 窓が一つだけあるが、雨戸が閉まっていて昼なのか夜なのかさえわからない。 室内を古ぼけた薄暗い室内灯がぼんやりと照らしているだけだ。 ユウタは見回した。 全く見覚えのない部屋だった。 古い和室で家具も何もない。 落ち着いた緑色の砂壁がユウタの周りを取り囲み、不気味に圧迫してくる。
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