流浪のエルフ

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海を見下ろせる丘から2人の男が船を見ている。 1人はローブを纏い、もう1人は革鎧を付けた大男だ。 「2匹居るな… 潮風に乗って匂いが来てるぜ」 大男が言った。 「人気が有り過ぎる… 夜になるか、街を出るまで待とう」 ローブの男が答えた。 だが、大男は我慢し切れない様だ。 「駄目だ、先に行かせて貰うぜ」 革鎧の背中部分が弾け飛び、2枚の白い羽根が姿を表す。 そのまま跳躍すると船を目指して羽ばたく…と言うより、高速滑空とでも言うべきスピードで飛んで行った。 「オーディウスめ、我慢し切れんとは… 調整をし過ぎたか」 そう呟くと、常人には発音不可能と思われる音を発する。 すると男の足下に魔法陣が浮かび上がり、男の体が沈み始めた。
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