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菫が離れたのを確認してから、壁に取り付けてある姿見で身なりを整える。
相変わらず女顔だ…
「気をつけて下さい」
「分かってる。資料の方は任せました」
言葉遣いに気を張りながら答え、菫を残して生徒会室を後にした。
まずは運動部の部活進行具合から確認しようと、体育館を目指す。
廊下にはエンジの絨毯が敷かれていて、足音を吸い込んでいく。
放課後の校舎は本当に静かだった。
「ファイトー!」
そんな廊下でも体育館が近付けば、活気溢れる声が響いてくる。
真面目な生徒も居るんだから早く見回って帰ろう。
足を早めようとした時、いつも鍵がかかっているはずの資料室の扉が微かに開いているのが視界に入った。
「あれ…おかしいな」
その教室には大切な書類等が保管されてるから、俺か理事長しか鍵を持っていないはず。
俺に心当たりがないって事は理事長が。
「それはないか。母さんは一ヶ月前から出張だし…」
あと二週間は帰ってこれないはず。
この間の見回りの時には開いてなかった。
…と思う。
「誰かが開けた?」
不安に思いながらドアノブに手をかけた。
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