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  救いはここが全寮制じゃないこと。   寮もあるけど、入りたい人とか家が遠い人が入る寮。   それと職員寮の二つ。   俺は体が弱い事になってるから菫と一緒に車通学。   寮なんかに入ったら大変な事になる。     「叔母様から通達がありました。一部の部活動に不穏な動きがあるそうなので管理しろとのことです」     「…分かりました」     言葉使いに気をつけて、声のトーンも若干上げながら答える。   生活の慣れかは知らないが、男だと分かられている相手を前にして女で居なきゃいけないのはかなりの苦痛だ。     「それと…先日辞職されました私達の担任に、新任の先生が着任することが決まったそうです」     「新任?」     茶色く分厚い手帳を見ながら淡々と伝えてくる。   新任なんて何考えてんだよ。   俺のことを理解出来てない奴を相手にする事の難しさをあいつは知らない。     「これは校長の指示です」     「何を考えてんだクソババア…」     「希さん!お母様に何て言い方をするんですか」     言葉遣いじゃなくて母親への敬意を叱られた…    
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