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菫は校長である俺の母親の信者みたいなもの。
バリバリ働く俺の母親が理想なんだってさ。
「校長は希さんのことを1番に考えていらっしゃいます。現に新任の方は事情を知っておいでです」
「新任に話すなんて珍しい…ずいぶん信頼してる奴なんだな」
新任の教師は最低でも半年くらいは働かないと事情を知らされないし、会議等でも発言権は全くない。
新任で、しかもまだ学校に来てもないのに事情を知らされるのは今までになかった事だ。
「当たり前です。新任の担任は私の姉ですから」
そうだ。
菫には三人の姉妹がいた。
菫の他に中等部に李(すもも)、中等部の教師に桔梗(ききょう)という姉妹がいる。
そして高等部の教師として赴任してくるのが雛菊(ひなぎく)という。
四姉妹だ。
「雛菊さんか…そういえば大学卒業したんだっけな」
遠い目をしながら小さく呟く。
「だから安心して下さい」
安心…なんか出来ないだろう。
いくら親戚でも新任だろう?
口が滑って、なんて騒ぎは起こしてほしくない。
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