生徒会長の秘め事

２

　
ピンで止めるやつだから結構痛いんだよな。

かつらなんか付けないで普通に歩きたい。

「何を言っているのか分かりません。痛い思いをされたくなければ動かないで下さい」

有無を言わせぬこの態度を見ると、菫も妃の血が流れてるんだなって実感する。

妃家の女性は女王様だからさ。

「希さんはこれからどうなさるおつもりですか？」

「校内を見てから帰る。帰ったら報告聞くから下調べよろしく」

丁寧に髪を付けていく菫を横目で見る。

髪が長いとこんなに頭が重くなるんだなって実感するよ。

「出来ました。それでは遅くならない内に帰宅して下さい。人との接触も極力避けて下さい」

菫の家は俺の家の敷地内にある。

しかも菫は俺をサポートしてくれているから、俺の家にほぼ住んでるようなもの。

だから毎日同じ車で登校して、下校する。

菫は生徒会メンバーだから下校時間が合わない事も殆どない。

でもたまにはこんな風に校内を偵察して帰る時は別だ。

部活動はちゃんとしてるか、素行の悪い事をしてないか、を見て回るのも生徒会長である俺の仕事。