陰謀

10/10
前へ
/30ページ
次へ
とまぁ…。 これが謎の部屋に、遺体と共に残された手記なのだが、分裂症の被害者妄想にしか見えない文面である。 彼が電波生物と云うものに恐れを抱き、この部屋を作ったのは、ほぼ間違えないだろうし、彼の文面通りに生活していたのは確実であろう。 ただ、この手記が簡単に廃棄出来ない訳がある。 何故ならば彼の死体は焼け焦げ、半身の肉がえぐれ落ち、臓器が真鍮の筒に巻き付けられている。そして、片腕を真っ直ぐに天に伸ばし、口を大きく広げている。 まるでアナログなラジオのように。 この情報公開で、何か少しでも手掛かりを得る事を切に祈り、私はこの謎を解明する為にこれからも最善を尽くしたいと思う。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加