悪魔Z

6/10
前へ
/30ページ
次へ
そして、小屋には最後の10日間を過ごしたであろうと推測出来る形跡もあった。最後のと述べたのは、彼女はこの近くの岩場に水死体で打ち上げられたからだ。遺体の損傷は酷く、生前を想像しようにも、膨れながらも崩れ果てた肉塊からはとても不可能であった。 発覚から16日目の今解る範囲では、歳はまだ二十歳前後の若く美しい方だったようだが…。検死官の美的感覚の言う美しさとは、骨や細胞の特質とか、常人とは離れた価値観によるものであろうからあてにはならない。 さて、ノートの話に戻ろう。一冊目の後半、5日目から少しづつ彼女の精神状態は変化をしていく。いや率直に悪化をしていくと述べよう。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加