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木々は枯れ木に変わり、植物たちも土になりかけていた。どこを見ても同じ風景、来た道すらわからない・・・
「おい、ロイ!どうする!?俺たち帰れないぞ!」
ビルは混乱しきって思考が回らないのか、どうしようと連呼しつづけている。
「そんなに慌てたってなにも始まらないわよ。ビル、とにかく落ち着いて。うるさくていい案すら浮かばない」
とマリーは言ったが、少し震えていた。普通はマリーたちのように、混乱したり、震えたり、泣き出す。
だが、僕は案外冷静だった。
そのときふと脳裏に不思議な声が聞こえた。
‐夜は危ない・・・目の前にある家に入って‐
ぇ?・・・誰!?・・・何処にいるんだ!!
‐早く入って・・・中には食べ物も寝るところもあるわ・・・‐
あ、ありがとう。ねぇ、危ないって何が危ないんだよ!!
‐詳しくは明日の朝話すわ。あ、夜が開けるまで絶対家からでないで・・・・さぁ、みんなを連れて入って!!‐
おい!待ってくれよ!まだ話が・・・
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!どうしたの?」
え?何が?と僕はマリーに訪ねた。
「お兄ちゃん一人で喋ってたのよ?大丈夫?」
マリーは心配そうに僕の顔を覗きこんでいた
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