暗黒の恐怖

2/5
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
木々は枯れ木に変わり、植物たちも土になりかけていた。どこを見ても同じ風景、来た道すらわからない・・・ 「おい、ロイ!どうする!?俺たち帰れないぞ!」 ビルは混乱しきって思考が回らないのか、どうしようと連呼しつづけている。 「そんなに慌てたってなにも始まらないわよ。ビル、とにかく落ち着いて。うるさくていい案すら浮かばない」 とマリーは言ったが、少し震えていた。普通はマリーたちのように、混乱したり、震えたり、泣き出す。 だが、僕は案外冷静だった。 そのときふと脳裏に不思議な声が聞こえた。 ‐夜は危ない・・・目の前にある家に入って‐ ぇ?・・・誰!?・・・何処にいるんだ!! ‐早く入って・・・中には食べ物も寝るところもあるわ・・・‐ あ、ありがとう。ねぇ、危ないって何が危ないんだよ!! ‐詳しくは明日の朝話すわ。あ、夜が開けるまで絶対家からでないで・・・・さぁ、みんなを連れて入って!!‐ おい!待ってくれよ!まだ話が・・・ 「お兄ちゃん!お兄ちゃん!どうしたの?」 え?何が?と僕はマリーに訪ねた。 「お兄ちゃん一人で喋ってたのよ?大丈夫?」 マリーは心配そうに僕の顔を覗きこんでいた
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!