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3-A
「ハーァ」
小さくため息
知らない人の席に置いてある自分の鞄を手に取ると、足が固まった
「どぉしよぉ…」
口では迷いを吐いたが、心の声は"帰りたくない"
体は正直だ
自然に椅子に腰掛けた
(先輩…来てくれないかなー。テレビや漫画なら、私を心配して走って教室に入ってくるんだけどなぁ)
教室の扉の向こうを見る
「フゥー‥んなわけないか」
諦め、机にうなだれる
「私、何やってんだろ」
「本当に何やっている?」
無意識に振り返る
「先輩!☆」
凹んでいた顔が、満面の笑みに変わった
その瞬間
「馬鹿かお前わっ!」
「うっ」
「山本に電話させて!!」
「は?」
「用があるなら自分で電話してこい!!!!」
「だって‥。てか、先輩こそ、デートの約束してたのに私を放って帰っちゃって酷すぎる!」
「?」
そりゃそうだ
その反応、大正解
「知らん」
「先輩オーケーしたじゃないっ」
「はぁ!?」
「朝!!」
「あ゛ーわけわかんねぇ!帰るぞ」
スタスタと歩いていく宏樹
「先輩っ(ま、いっか☆先輩来てくれたし♪しかも、漫画みたいな登場でメチャ格好良かったし♪そ・れ・に☆私服も最高~)」
どこまでもおバカなモカでした。チャンチャン
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