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喧しいと思っていると、その足音の主が部屋のドアを勢い良く開いた。
「啓護ー、啓護にお客さんだよ」
料理中だったのか、手にはお玉を握った兄貴が不思議そうな表情を見せながら顔を覗かせた。
「お客さんって…こんな時間に誰だろう」
啓護は首を傾げながら玄関へと向かった。
心当たりのない客人に疑問を抱きながらも廊下を歩き行く。
そして玄関を見てみるとそこには金髪の髪を胸まで伸ばした女性が立っていた。
くりくりとした青い瞳は吸い込まれそうになるぐらい澄んでいる。
「カミハラケイゴですか?」
「え、はい…そうですけど」
外国人の突然の訪問にか、その外国人の日本語が予想以上に上手かった事にか本人にも分からなかったが、啓護は驚いた表情を見せた。
「アナタがやっとミつかったパートナーね」
女性はにっこりと微笑むと、啓護の後ろに目を向けた。
するとすぐに大きく目を見開くと、靴を履いたまま家の中へ入って行った。
「アクマちゃーん」
啓護はそれを阻止する事も出来ず、その姿をただただ眺める。
「シャーラ、何でここにいるんですか?」
「アクマちゃんがゲンキにやってるかシンパイだったからだよ」
シャーラと呼ばれた女性は小さなクロを抱き上げ、愛しそうに頬擦りをした。
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