悪魔の自習

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主人様と呼ばれる人は何度かクロの話の中で聞いたことがある。 だが、その主人様という人がどういう人物なのかは全く聞かされていない。 呼び名からしてクロの『主人』つまり、飼い主か上司のような存在なのだろう。 「さっきのポスターみたいなのは何?何か変な絵が書いてあったけど」 壁に立て掛けられたポスターを見ながら啓護は尋ねた。 「あれは主人様や他の仲間と通信する時に使うものです。人は通れませんが、あれを通じて荷物などを送ることも出来るんですよ」 「便利じゃん」 「しかし、相手もそれを持っていないと使えませんけどね」 啓護が感心しているのに、クロは溜め息混じりに付け足した。 「そんなことより、仕事が入りました」 仕事と聞いて啓護は思わず顔をしかめてしまった。 前回の仕事では同い年ぐらいの冬史にこてんぱにやられた嫌な記憶がある。 「今回の仕事は天獣を削除していくことです」 天獣はさっきシャーラと話していたやつのことだろう。 天使から送られてくる敵…。
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