悪魔の自習

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話を少し戻し、その天獣を削除するのが今回の仕事なのだ。 「さっきも言いましたが、能力などは大したことないのですが、数が多いんです」 鼠のような繁殖力なんです、とクロは溜め息混じりに付け足した。 「今、主人様が天界に天獣の停止の話を持ち込んでいるので、停止次第仕事は終了です」 「何か不安」 啓護はいつ終わりが来るのか分からない仕事に表情を曇らせる。 「大丈夫ですよ。すぐに話はまとまると思いますし、啓護は普段通り学校に行ってください」 クロはケロッとした顔で言うと、両手を上げて背筋を伸ばす。 そういう問題じゃない、と言いたかったが、これ以上面倒な話はしたくなかったので啓護は言葉を飲んだ。 クロも随分疲れているようで、目付きの悪い目を小さな手で擦る。 「私は寝るので、勉強頑張ってくださいね」 啓護も便乗して寝ようとしていたのだが、クロに釘を刺され、唇を噛んだ。 「…おやすみ」 口の中で舌打ちをすると、いつもより低い声で挨拶を適当に済ませ、教科書に向き直った。 夜は長い。 啓護は眠気眼に力を入れ、文字を目でなぞっていく。
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