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授業にも全く集中出来ず、何をしでかすか分からないシャーラを監視している啓護の神経は、一秒一秒削られていく。
四時間目が終わると同時に、啓護は何気無くシャーラの肩を叩き、屋上へと向かった。
シャーラは啓護の考えを察し、朝と同じように話しかけてくる女子生徒に一言謝り、教室を出た。
屋上には誰も居らず、都合が良いと啓護は一先ず緊張の糸をほどいた。
「ナニ、どうしたの?せっかくミンナがハナシかけてくれてるのに」
シャーラは頬を膨らませ、不機嫌に眉をしかめる。
「何じゃない!何でお前がここに居るんだよ」
足を汚れた床に打ち付け、啓護は声を荒げた。
しかし、それにシャーラが怯む事もなく、逆に啓護を睨む。
「ダレにイってるの?ワタシはアナタのセンセイよ」
鋭い目線に啓護の方が言葉を詰まらせてしまった。
「コレはコウリツよくタイオウできるようにしているのよ」
こっちだってアソびにキてるんじゃないんだから、とシャーラは唇を尖らせた。
「そうですよ。いつ天獣が来るのか分からないんですから」
鞄から抜け出してきたクロもシャーラの肩になど乗っている。
それが気に食わない啓護はチッと低く舌打ちをした。
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