幕開け

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オレは 誰だ? ―――――……… ――――…… ――… PLLL PLLL 無機質な呼び出し音が、部屋に鳴り響いた。 目覚めたときのクセで、時計に目をやる。 午前3時。 まだ2時間しか寝てない…。誰だ?こんな時間に…。 「…はい?田並ですが……」 『あ、もしもし?私。光田だけど。あ、寝てた?ごめんなさい。ちょっと急ぎの用でさ。』 同僚・光田 里緒(ミツダ リオ)。 「迷惑だ。切るぞ。」 電話を切ろうとすると、 『あぁ!!ちょっと、ちょっと!!!!あんたそれでも刑事なの?!』 慌てた声が聞こえた。 「事件?」 すっかり目が冴えたオレは、ベッドから起き上がるとYシャツを羽織り、眠気ざましのコーヒーを準備する。 『目、冴えた?』 「質問に答えろ。」 『…あんたホントに男?事件、事件て。そんなんだから』 「里緒」 電話越しにため息が聞こえた。 ため息つきたいのはコッチだよ… 『そうよ。詳しくは電話じゃ言えないけど、………女性のバラバラ死体。』 「すぐに行く。」
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