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それ以上二人は会話もせずコーヒーを片手に資料を隅々までくまなく読んだ。
殺された女性は高野 真理恵(タカノ マリエ)17歳。
容姿端麗、成績優秀、人望も厚く、殺される理由など一片も見当たらない。
発見されたのは、恋人の家の前…。
「これだけ可愛いなら~ストーカーって線も考えられるよな~。」
背中から声をかけられ、後ろから覗かれていた事に気付く。
「充明!?」
「水谷刑事っス。田並警部~。」
「……………。」
「クスッ…コホンッ」
里緒……光田刑事を一瞥してから資料に目を戻す。
「ストーカーか…」
「その線は薄いわ。」
「何で?」
里緒の見解が不服なのか、充明は口をとがらせる。
「まず第一に、高野真理恵に抵抗したあとがまったくない。顔見知りの可能性が高いという事。」
「だが、ストーカーが顔見知りだった可能性もあるんじゃないか?」
「第二に、犯行は綿密に計画されたものではない事。」
「え?」
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