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「わからない?計画犯罪ならば少しでも身元の特定を避けるために、すぐに彼女だと分かるもの
……そうね、頭部、あとはこの独特の痣のある膝から下は処分するはずよ。
それから…バックの中身。被害者は、いつもスタンガンを持ち歩いていたそうよ。たぶん護身用だと思うけど…
つまり、彼女はとても用心深い人物だったと考えられる。
そんな女性がストーカーに抵抗せず殺させるとは考えにくいわ。」
「ストーカーには、警戒していたはずだからね。」
「この事から、犯人は突発的に彼女を殺してしまいあせってその場を去った…
そうでなければ、この遺体が彼女だと分かっても全く支障がない人物と考えられるわ。
後者だとすれば…そうね、最近知り合ったばかりの人物、一、二回ほどの数回の面識しかない人物あたりが妥当かしら。」
「さすが~………」
「ただ、」
「ただ~?」
「今の事が本当だとすれば彼女は数回会った人に殺したくなるほど憎まれる…という事になるわよね?」
「あぁ。」
「資料からいえば、彼女は他人から反感を買うような子じゃない…」
「その人物を資料だけで読み取る事はできない。」
「亮佑…」
「きみの洞察力は素晴らしいものがあるが、本当に彼女が誰からも嫌われていなかったとはかぎらない。」
「完璧なヤツほど鼻につくって人間もいるしね~」
「それに、抵抗したあとがないからと言って顔見知りとはかぎらない。
たとえば、抵抗出来なかった…とかな。」
「そんな!!縛っていたとでも言うの?」
「君が言ったんだぞ。犯人は《異常》だ……と。」
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