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ごごごごご…
とてつもない破壊力を持った揺れは人々からいとも簡単に体の自由を奪った。東京の建物は建築士の耐震強度の偽装が発覚してから危険な建物が実は多くあることが発覚したのだが、建築士の偽装した建物を含め改修されていなかった。
次々に建物が崩れる
人々は動けない
建物が崩れる
崩れる
…
「俺は死んだのか?暗い。しかもホコリっぽい。地獄にしちゃ辛さが俗っぽいな」
目が馴れてくると周囲の様子が見えてきた。頭上には本棚があった。倒れたテレビが本棚と床の間に空間を作っていた。
「…クソッ」
家の中のほとんどの物が壊れていた。食器は粉ごなに割れ、趣味のクロスボウは潰れ、机の上に飾ってあったサバイバルナイフは足元に転がっていた。
「RPGの初期装備ってか?」
とか言いつつシースの穴にベルトを通す。下駄箱の近くにはガラスが散らばっていたが中の靴は無事だったのでそれを履いて外に…
「…空かない💧」
確かドアって歪むと開かなくなるんだよな。台所の窓はガラスが割れ窓が牙を向いているが一応廊下には繋がっている。ここから出るしかないか。とりあえず邪魔なガラスを…
「…つっ!」
切った…でもたいした傷じゃないからとりあえず止血しておく。
外に出るとことの重大さがわかった。…ここも絶対崩れるだろ。ボロアパートだし。とっとと脱出だよ。
道路に出た彩斗は見慣れない"もの"を見つけた…
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