運命

9/11

13人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
そう、実は連絡が来なくなったあの日…夏音は事故に遭っていたのだった。 幸い身体はなんともなかったのだが…。 少し頭を打ったらしく、引っ越す前の記憶が無くなったらしい。 本人は、引っ越し先が地元だと思っているらしく、家族が前の話をしても全く記憶が戻らないので、それで僕に連絡をしてきた。 記憶が戻ることを願って…。 しかし、結果は僕のことなんか全然覚えていなかった。 僕は思い切って、 紫堂 「あのさ、実は初めてじゃないんだよね。本当に覚えてない?」 夏音 「……。どこかで会った?」 紫堂 「うん。俺は夏音の彼氏なんだけど…。」 夏音 「は?何言ってるの?」 紫堂 「いや、本当に。じゃなきゃ、ここに居ないし。」 夏音はすごく不満そうに、 夏音 「私に彼氏なんていないよ!いきなり訪ねて来て冗談言わないで!」 紫堂 「冗談じゃないんだけど…。」 夏音 「お母さん!なんでこんな人連れてきたの!?」 夏音は怒りだして、自分の部屋に戻ってしまった。 夏音母 「ごめんなさい…。辛い思いさせて…。」 涙ぐみながら僕にそう言った。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加