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そう、実は連絡が来なくなったあの日…夏音は事故に遭っていたのだった。
幸い身体はなんともなかったのだが…。
少し頭を打ったらしく、引っ越す前の記憶が無くなったらしい。
本人は、引っ越し先が地元だと思っているらしく、家族が前の話をしても全く記憶が戻らないので、それで僕に連絡をしてきた。
記憶が戻ることを願って…。
しかし、結果は僕のことなんか全然覚えていなかった。
僕は思い切って、
紫堂 「あのさ、実は初めてじゃないんだよね。本当に覚えてない?」
夏音 「……。どこかで会った?」
紫堂 「うん。俺は夏音の彼氏なんだけど…。」
夏音 「は?何言ってるの?」
紫堂 「いや、本当に。じゃなきゃ、ここに居ないし。」
夏音はすごく不満そうに、
夏音 「私に彼氏なんていないよ!いきなり訪ねて来て冗談言わないで!」
紫堂 「冗談じゃないんだけど…。」
夏音 「お母さん!なんでこんな人連れてきたの!?」
夏音は怒りだして、自分の部屋に戻ってしまった。
夏音母 「ごめんなさい…。辛い思いさせて…。」
涙ぐみながら僕にそう言った。
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