運命

10/11

13人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
後は、どうにもならなかった…。 僕はすぐに夏音の家を出て、一人で歩いて駅まで行き、呆然と電車を待っていた。 もう…何も考えられなかった…。 まさか本当に記憶がもどらないとは…。 自分のことを忘れられた事よりも、なぜ引っ越す前だけの記憶がなくなったのかがショックだった。 まるで、神様が意地悪でもしているかのように…。 そう言えば、これで本当に夏音とは離れることになった。 あの時の占い師が言っていたのは、この事だったのかもしれない…。 もう二度と、一緒に歩いたり、遊んだり出来ないのだろうか? その日を境に、僕は少し変わっていった…。 夏音を思いながらも…。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加