仲間と呼べるモノ

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ある日のこと… 久しぶりの休日、体もだるく疲れきっていた俺は、1日何もせずにのんびりと過ごそうと考えていた。 体内時計と日頃の習慣は、朝の6時に容赦なく俺を起こした。まぁ、2度寝は嫌いじゃないから、丁度よかったかも知れない。 俺はまた心地好いベットで眠りの世界に帰った。 10時、今度こそしっかりと目覚めた。 ボーッとしているのは風邪のせいだろう。 とにかく空腹なので、食欲を満たすために1階に降りる。 キッチンへ向かい冷蔵庫を開けた。…何もない。こんにゃくゼリーはやたらとあった。何故かあまり食べられないので、大量なのだ。 4つ程食べて止めた。 部屋に戻ると携帯に着信があった。あまりメールをしないので、珍しい。 見ると付き合いの長い友人からだ。 「1時頃に遊びに行っていい?」 あまり迷わずにOKした。 自分の体調より遊びが勝った瞬間である。 …ぴぃ~んぽぉ~ん 友達登場の合図だ。 「風邪ひいてんのかよっ、ヤベ…マジうける!」 普段風邪など引かない俺が風邪なのがやたらと面白かったらしい… つられて俺も笑顔になる。 何だか少し楽になったような気もする。 それからは体のだるさも消えて、二人して意味なく笑ったり、ゲームで盛り上がったり、楽しい時間が過ぎた。 夜、風邪の症状が戻ってきた。 ああ、おかえり風邪さん。 溜め息とも咳ともつかないものを出してがっくりとなる。 そして、ふと思う。 あいつには人を元気にするパワーがあるんじゃないだろうか? だとしたら、そんなヤツと出会った俺は、かなりの幸運に恵まれたに違いない。
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