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それでも仕方ないとアムラエルはため息をつき、ひとつの部屋の前で足を止めた。
レミィが顔を上げてアムラエルを見る。
「…ここ、なのか?」
「ええ。この奥にエティエルが居るわ」
「エディが…」
レミィがアムラエルに頷くと、アムラエルがゆっくりとその扉を開いた。
ゆっくりと重みのある扉の開かれる音。
そこは暗くよどんだ空気が流れている。
そこに佇む一人の少女。
「エディ…?」
「…レミエルだね…?僕は…」
「エティエル!!」
「…そうなんだ、まだ記憶が…。いい?僕がアムラエル。君がエティエルだよ」
「…エティエル?」
「君はエティエル(自分)の記憶を消した。だから仕方なく僕の記憶を埋め込んだ。ただ僕の代わりの存在」
冷たい視線の先に自分と同じ姿の少女を映す。
姿形は似ているけれども、同じ存在ではない。
「エディ…。僕の片割れ。よく来たね」
「…アミィ?分からない…。私は…」
「君はエディだよ。だけど、考え方だけはあの頃のままなんだね」
「考え方?どう言うこと?」
「デス・エンジェル家をこのままにしておいてはいけない。ってね」
先ほど、レミィにそう告げた。
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