独りぼっちの少年。

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「…天使では、なかったのか。でも俺は自分にどんな“力”があるのか、知らない…」 レミィは昔の記憶を反芻してから呟いた。 まだ自身の“力”が何なのかさえ知らないレミィ。 本当に“力”があるのかさえ分からない。 “力”が本当に有るのなら、喉から手が出るほど欲している。 「エディが危険な目に合ってても助けられないじゃないか…」 ザワッと木が揺らめいた。 Angel woodの葉が一枚、レミィの手の中に落ちてきた。 その葉がほのかに光りを放っていた。 「Angel woodの…葉?そんなはずは…。この葉は強さの証…。なのに…」 ―少年よ。道を誤るな…。望む者を救う手助け、我がしてやろう。― 周囲の音が一切の無音になり、その声が聞こえてきた。 「…貴方は誰ですか?」 ―我はそなたらがAngel woodと呼ぶただの木。天使の“力”を持ったそなたに力を貸そう。― 「Angel wood?俺に天使の“力”がある…?どんな“力”かも知らないのに…」 ―案ずるな、少年よ。時がくれば“力”は目覚める。それまでは我の葉で凌ぐが良い。― 「葉に“力”が込められているとでも!?」
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